【キホン】 職人の道具

職人の道具

はじめての会社に入社したのが4月

新卒での採用でした

当時、会社は多数の物件が動いており

先輩社員たちはとても慌ただしく、私たち新入社員を相手してくれる人はほとんどいませんでした

たまたま道具を取りに事務所に帰ってきた先輩社員とは軽く挨拶する程度

もちろん社長も事務所にはいますが、社員教育には一切関わらず
社長から教えてもらうことは何一つありませんでした

教育は社員で考えて行うスタイルとしているらしく

先輩社員も社会人2年目なので何を教えたら良いのかわからない

もう自分のことで一杯一杯

なので、教えるよりも「見て!着いてきて!」って人がほとんどでした

YOU
YOU

今となっちゃ

この段階で見切りをつけておくべきでした

そんな私がやらかしたこと

入社早々、新規店舗の現場のサブ(補助)として先輩の下についたとき
職人さんを怒らせてしまいました

初めての出来事

初めての現場で右も左もわからず、もらった指示といえば
・明日は8時に◯◯集合

のみ

なにも知らない私はそういうもんなんだ

なにも疑いませんでした
途中にも色々あったんですが、また違う話になるので飛ばします

その現場は超突貫工事だったと思います。
それはなにも知らない私ですらわかりました
最初の数日は、私は朝8時に現場へ入り20時に現場を出て帰宅していたと思います

YOU
YOU

実は記憶が飛んでいます…

✔︎先輩が行方不明

先輩はというと

現場が終った後、事務所へ戻り未発注だったものを発注したり
足りない図面を書いていたらしいです

YOU
YOU

連日徹夜していたようです

その最初の数日がたったころ、朝現場に入ると職人さんが大勢待ちぼうけしていました
何事?と思い声をかけてみると
現場を仕切っている先輩が見当たらないとのこと

私も電話してみましたが電話に出ない状態

職人さんは今日作業する場所の「墨」が出ていない
『お前なんとかしろ』と言ってきます

✔︎要求される無理難題

なにもわからない私になんとしろ、と言われてもどうにもなりません
この現場で墨出しは相方として、糸の持ち手としてやっていました
補助ですし、新人なのでほぼ戦力外です
でも、今日の作業箇所の「墨」なんて、”何をどのように”出せばいいかなんてわかりません

YOU
YOU

職人はホンキで言ってましたね
そりゃそうです、仕事ですから

そんなところに、よくやく先輩から電話が
『わりぃ寝てた』
絶句です。今どこにいるかと聞くと
『家』
『墨出さないといけないから、墨出してくれ』

そうですね、みんな困ってますからね
自然と、どうやって出せばいいか電話越しに質問していました

この数日、墨出しの相方として見ていたので即座に対応していました

YOU
YOU

新人が電話越しの指示で墨を出す
驚愕です

✔︎その時、事件は起こる

墨出し開始直後にそれは起きました

大工さん
大工さん

なにやってんだぁ!!

怒号でした
何が起きたのか、全くわからなかったです
なんで職人が怒っているの?

怒るポイントはいくつかありました
朝イチから監督はいないし、墨も出ていないし、現場は突貫だし、職人たくさん待ってるし

怒る要素がたくさんありすぎて、なんで怒っているのかホントにわかりませんでした
どちらかというと、怒っている人がいると墨出しの気が散るので鬱陶しいな。
くらいに思いました

職人は何に怒ったか
私が「差し矩」に手を伸ばしたときでした

「え?なんで?」これないと墨出せないのに
「どうしたんですか?」と聞くと

職人の道具を勝手に使おうとしたことがダメとのことでした
私としては減るもんじゃないし いいじゃん

ホントに心からそう思いました
しかも、怒っている職人さんの「差し矩」じゃないし…他の職人さんのじゃん

✔︎職人の道具を使う ・・・なぜダメか

他の人のだからいいじゃん
とも思いましたが、職人いわく

『職人にとって道具は仕事道具であって、その人とその家族の生活のために必要なものである』
『職人にとって仕事を納めるため、道具の精度には細心の注意をはらっている』
『お前はその責任が取れるのか?』

私はそこまで言われて、ようやく理解できました

YOU
YOU

この時、謝る必要があると理解しました

そして最後に言われたのが、『そもそも貸してくださいって言ってないだろ』
恥ずかしかったです、そこにあるもので減るものじゃない
それは使っても問題ないモノ、と本気で思っていました

大工さん
大工さん

お前、貸してくださいって言ってないだろ

心から謝る

あ、私がやっていることってダメじゃん
と思うことができたおかげで、しっかりと謝ることができました
純粋に心から謝ることができました

持ち主の職人さんはとても軽く『あ、いいよ』と許してくれました

怒っていた職人さんは『な?わかったろ?』といって許してくれました
墨出しの相方もやってくれました

ほんとに感謝しています
自分の事ではないのに、しっかりと怒ってくれる
ありがたいことです

それ以来、その職人さんたちとの付き合いは長いものとなっています

会社として責任を持ってその物件を請けるのですから、担当する社員に教育することの大事さも痛感しました

YOU
YOU

普通のことですけどね・・・




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