建築施工管理の納め方、ディティールを学ぶための書籍はたくさんあるのですが
店舗系の施工管理者が読むための書籍は皆無です
これは私が知っている知識をまとめるしかない。ちょっとした使命感でこの記事を作っています
これから店舗の施工管理として頑張る方や
先輩の方々にも共感していただけるのではないでしょうか
今回はショーケースのカギの納まりについて書いてみました
ご一読いただけると幸いです
意匠図から読み解く「納まりのお題」
納まりを考えるための「お題」を読み解く必要があります。
渡された意匠図は意匠でしかなく、納まりなんて考えてもいません
どの様に作ったらこの意匠になるか、納まりと意匠のせめぎ合いです。
よく考えている設計士さんは納まりを描くよ
納まりがわからないならこっちに任せて!
では、今回はこの意匠図から「お題目」を探してみましょう
以上、6項目のお題を見つけることができました。
考えていく順番はどうでもいいので
一個づつ回答と結論を出していきましょう
そして、その回答全てを組み立てていくのです。
所々で技術的に出来ることできないことの確認を行う必要もあります。
この確認は「実際に作ってもらう工場」と行うことが大事です
この工場ではできるけど、他所の工場ではできないことだった。なんてことはよくあります
ごめ〜ん ウチではできないよコレ
1.トレーの仕上げは生地巻き込み
生地を巻込む板は、木工か鉄板
木工であれば5.5mmベニヤに貼り、鉄板であれば1.6mm程度のスチール
接客しているときにトレーに、コツンと当たった時の音を気にするのなら、木工で作ることをおすすめする。
2.引き出しは横引きか底引きのスライドレール
ショーケース本体の奥行きが300mmで、底引きスライドレールの最小サイズが300mm、本体よりもスライドレールが出っ張ってしまう。
今回は横引きスライドレールを選定した。
底引きレールの最小寸法が300mmでした
飛び出しちゃいます
なので、今回は横引きレールを選定
3.トレーの妻板がガラス
妻板の厚みはいくつでも良い
一般的なガラスとして、フロートガラスであれば3mm、5mm、6mm、8mm、10mmがありますが現段階では厚みは決定しません。
ガラスを入れることを認識していれば良いです。
4.ショーケースにはカギが必須
ショーケースにはカギが必須なので、鍵の位置は中心と考えます。
選ぶカギの候補は、出来るだけ小さいものを基本としてください。
a.引き出し用の面付きシリンダー錠
b.ガラスドア用のガラス錠
c.SDなどに使うカムロック錠
今回は引き出しなのでb.ガラスドア用は除外されます。
a.引き出し用の面付きシリンダー錠か、cのSDなどに使うカムロック錠の2択になるのですが
カムロックは組立が必要で、裏側のネジを締めて組み立てます。
ネジが緩みメンテナンスが必要となることが多々有ります。
おすすめは面付きシリンダー錠
面付きシリンダー錠は機構が詰まった四角い箱内で完結し、4点ビス止めで完結するので使いやすいです。
まず第一候補として面付きシリンダー錠を選定し、納まるかを検証します。
各部位と干渉しないか確認します。
忘れがちなのが、鍵受けです。
鍵を付けたからOKではなく、シッカリと鍵が機能するか、鍵は回せるかを確認します。
5.仕上げが特殊金属
今回は仕上げが特殊仕上げで貼付けするものでした。
板材を貼り付けるのを忘れない事、と頭に入れておきます。
ステンレスならt=1.5mm
スチールならt=1.2mm1.6mmがよく使われます。
6.引き出し方は手掛けにて(カギを摘んで引き出す方法もある)
引き出し方を考える必要がありますが、今回は手じゃくりのように指示が読み取れるので手掛けをつくりました。
他の例:ツマミやハンドル
仕上げが板材だったので、この板材を少し伸ばす事で手掛けとすることができました。
この方法は薄い板材に指を掛けるので安全性が心配ですが、安全性を少しでも上げる様にやすりがけを丁寧に行いました。
親切なのはこの板材に裏当てのフラットバーなどを付け、厚みを持たせてあげる事です。
これは安全性がグッと向上します。
コスト重視の方は板材のみの方法が安価です。
まとめ
技術的に出来ることできないことの確認を行う必要があります。
この確認は「実際に作ってもらう工場」と行うことが大事です
聞ける関係を築く必要があるよ
私の経験がみなさんの参考になればうれしいです。
建築現場が良い環境になることを願って!
私のバイブルです
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