建築施工管理の納め方、ディティールを学ぶための書籍はたくさんあるのですが
店舗系の施工管理者用の書籍は皆無です
これは私が知っている知識をまとめるしかない。ちょっとした使命感でこの記事をつくりました
これから店舗の施工管理として頑張る方
先輩の方々にも共感していただけるのではないでしょうか
今回は分離発注についてです。
ご一読いただけると幸いです
施主が分離発注すると・・・
施主が工種別の専門の業者へ発注することを分離発注と言います。
この発注方法はよくあることです。
なぜ施主が分離発注するのか
各工種の業者へ個別に発注し契約することで、施工会社へ依頼した場合のマージンがなくなるメリットがあります。
マージンをカットしてトータルコストが抑えられた。と考えられます。
しかし、コストを抑えたように見えますが
実は、そんなことないので下図を参考にしてください
思惑が入り乱れてる
分離発注で直(じか)発注を請けた、専門業者の思惑
各工種の専門業者は普段は施工会社からの注文で、2次業者として施工をします。
1.施工会社から管理されないので自由に工事が進められる
いつもは施工会社から細かく指示を受けて工事をします。
直発注だと施工会社と対等なので、こちらの都合などで工事を進めることができます。
施工会社とうちは対等なのに、なんで指示を受けなきゃいけないんだ?
これはこちらのやり方で進めよう
2.普段は施工会社へ見積もりを出すけど、施主に直で出すからいつもより少し高く出せる
いつもの金額(a)に対して施工会社はコストオン(a+α)して施主へ提示します。
管理費等も含まれます
直発注なので施主へいつもの金額(a)で出すと、施主はコストオンされて出てきた金額よりも安くなった
と思います。
いつもの金額=(a)
コストオン=(a+α)
+α分よりも少し安めで出せば、施主にはわからない
施主にとっては少しだけ安くなったので
OKと考えるかな
3.施主から直に指示や要望を受けて手間がかかる(いつもは施工会社が施主から話を受けてくれる)から少し手間代を貰わなきゃ割に合わない
いつもは施工会社からの指示で工事を行いますが、直発注となると施主と直接打ち合わせをして工事を進める必要があります。
施主は施工のプロではないので、打ち合わせ内容が抽象的になりがちです。
この話から施主の意図を汲み取って工事へ反映しなければなりません。
これはかなり大変な作業になります。
「その苦労分の費用をいただかないと割に合わない」と勘がるのが、割と普通です。
大体がフワッとした話になります
施主からの発注:元請け(1次業者)
これはよくある発注スタイルです。
施主→施工会社(1次)→2次請
この時、1次請けとなる施工会社が、各業種の企業や一人親方へ分離発注して各業者を統括管理し
一元管理する方法です
元請けからの発注:2次、3次請負
1次から仕事を依頼され施工するのが、2次請負です。
2次から3次へ施工を依頼すると、1次→2次→3次と流れができていきます。
内装工事は大体3次までかな
2次業者は1社だけではなく工事内容によって増えていきます。
2次→下請け
3次→孫請け
プロジェクトの組織図
組織図の作り方は
1次→2次→3次
施主から1次へ、1次から2次へ
って流れですね
1次は施主からの要望を聞き、施工を請け負い
1次は工事内容を各専門業者へ依頼する。その流れをまとめたものが組織図となります。
これは施工の発注プロセスのピラミッドでもありますのでよく確認してください
まとめ
施主の分離発注で綺麗に納まった現場は、あまり見たことがありません
分離発注にすると専門業者は自分のやりたい様に施工し、施工業者は管理費用をもらっていないので
野放しになります。
よく設計者に「全体管理をお願い」と聞きますが
設計者が施工を管理するのは無理な話です。
私の経験がみなさんの参考になればうれしいです。
建築現場が良い環境になることを願って!
私のバイブルです
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