建築施工管理の納め方、ディティールを学ぶための書籍はたくさんあるのですが
店舗系の施工管理者が読むための書籍は皆無です
これは私が知っている知識をまとめるしかない。ちょっとした使命感でこの記事を作っています
これから店舗の施工管理として頑張る方や
先輩の方々にも共感していただけるのではないでしょうか
防犯ネットは雑工事のひとつです。
商業施設や店舗の防犯対策として採用されることが多く、
施工自体はシンプルですが、使い勝手や防犯性能を左右するポイントがいくつかあります。
今回は防犯ネットの基本的な考え方や施工方法について解説します。
ご一読いただけると幸いです
防犯ネットとは
そもそも防犯ネットが必要な理由とは?
どのような店舗が防犯ネットが必要となるか
それは商業施設に入居しているテナントに必要となります
防犯ネットが広く採用されるようになったのは、およそ15年前からです。
以前は設置しない店舗が多数でした
施設が閉店した後に、店舗スタッフは防犯ネットを掛けて帰宅するのですが
防犯ネットの目的は、営業時間外の不正な持ち出しを抑止することです。
特に商業施設では、従業員を含めた関係者の出入りがあるため、
防犯対策として採用されています。
当時、防犯カメラを設置している店舗はほとんどなく
盗られたら泣き寝入りがほとんどでした。
対抗手段が防犯ネットだったわけです
「せめて防犯ネットで店内に入りづらくしよう。」
というのが設置の狙いで実際に盗難は減ったようです
現在、ほとんどの商業施設では防犯ネット設置するのが義務となっています。
垂れ壁がある店舗の設置例
垂れ壁がある場合は、基本としては垂れ壁の後ろに防犯ネットを設置します。
垂れ壁の後ろとは
基本はお店の正面から見たとき、フック※を見せないようにすること
店舗デザインの中にフックは見せたくないからです
垂壁の裏に設置すると死角になりデザインの邪魔になりません

防犯ネットの固定には専用金具を使用します
代表的な製品は以下のようなものがあります。
防犯ネットのSカンを引っ掛けるために必要なもので、天井や垂壁に取り付けるものです。
防犯ネットとセットで必要な金物
防犯ネットの設置に最低限必要な金物は次の2点です。
- 天井に取り付けるフック
- 天井フックと防犯ネットをつなぐSカン

壁(垂壁)に取付ける場合のポイント
垂壁に取付ける場合
- 垂壁の下に取り付けるとファサードデザインの中に入ってくるので避けます
- 垂壁の裏側(店内側)につけることもあると思いますが
店内から見た時のデザインに影響するので、できるだけ避けたい - 垂壁にどうしてもつけるなら、垂壁と同色にします。


フックの選定(リング型・フック型)
リング型かフック型か
リング型だとSカンを引っ掛けるのが大変!

なかなか掛からない
毎日大変
天井や垂壁にフックがあるということは自分のが届かないところです
そこへSカンを掛けるのは、なかなか難しいものです
リングよりもフックになっているもののほうがSカンが掛かる確率が高くなります。
| フックの形状 | メリット | デメリット | トータル |
|---|---|---|---|
| リング型 | Sカンが外れることがない | Sカンをかけるのが大変 | ✕ |
| フック型 | Sカンを掛けやすい | Sカンが外れることがある | 〇 |
防犯ネットの巾と高さ
防犯ネットはオーダーで作ることがほとんどですが、高さは既製サイズとして1800mmが主流のサイズです。
それ以上になるとネットを作る際に継ぎができ、その分のコストが増えることになります。
ネットが大きくなると持ち運びや設置作業の負担が増えます。
そのため、高さだけでなく巾についても取り回しやすい寸法で計画することが重要です。
持ち運びしやすい大きさで計画することが大事です。
毎日のことですので少しでも負担を減らせるように考えていきたいですね。

お、重い…

長すぎて絡まっちゃうよ…
ネットの選定(防炎品)
防犯ネットは商業施設の店舗に必要なので、消防法を遵守する必要があります。
防炎品を選定しましょう


防犯ネットの「たわみ」
ネットは編み物なので元に戻ろうとしてたわみが出来てしまいます
このたわみがちょっと厄介で、しっかりと対策しておかないと引渡しの際に指摘されるので
要注意です。

たわみによって隙間ができると、人が出入りできる状態となり、防犯上の弱点になります。
たわみの対応(フックの向き)
ネットのたわみでSカンが中央に引っ張られるためフックから外れてしまいます。
フックの取付向きは要注意です

職人さんは「揃う」ことを重要視します。
指示がなければ全て同じ向きにつけられてしまうので
しっかりと指示を出しましょう


壁際対策
どうしても壁から離れてしまいがちですが
壁にもフックを取付ける方法もあります。
フック+カラビナが必要となります。

連結部分の対策(重ねる)
たわんで未警戒部分ができてしまうのであれば、ネットを重ねてしまう方法もあります。

連結部分の対策(カラビナで連結)
カラビナで連結する方法もありますが、毎日のことですのでちょっと面倒かも

まとめ
防犯ネットは商品を守るためだけでなく、店舗運営上のリスクを減らすための重要な設備です。
しかし、防犯ネットは「設置すれば終わり」ではありません。
施工する際は、
- 適切なサイズを選ぶ
- たわみを防ぐ
- 固定金具を正しく配置する
- フックの向きや取り付け方法を統一する
といった点に注意する必要があります。
特に、防犯ネットそのものよりも取り付け方法や納まりによって、使い勝手や防犯性能は大きく変わります。
後から修正するのは大変なので、施工前に使用方法までイメージしながら計画しておくことが重要です。
私の経験がみなさんの参考になればうれしいです。
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