✔︎日塗工(日本塗料工業会)で色を探す
建築業の人、これから施主になる人色を決めるシーンはたくさんあります
色を決める際、まずイメージを聞きますがその時に使うツールが「色見本帳」です
色見本帳は国内の塗装屋さん、建築会社など建築に携わる人なら必須のツールとなります。
もう共通言語並です
色を検討したいので、他の色も見せてください。
頼むと、大体はこの見本帳を見せてくれます。
【注意点】
- 建築会社により、色数を決めていることがあり、多色に変更することを断られることがある
→これには理由があります。
数を絞り、塗料メーカーへロット発注をし塗料単価を下げる努力をしているためです
選択範囲外から色を指定する場合、すこし割高になる可能性があります
✔︎海外メーカーで色を探す
日本の塗料の色数だけでお気に入りを見つけられればいいのですが、グッと来る色がない
そうなると海外メーカーの色見本の出番になります
海外の色数はとにかく半端ないです。日本の色数の何倍も色数があります!
なぜこれだけの差があるか、塗料の成分、つまり「粒子の細かさ」だとおもいます。
比べてみると日本の塗料よりも海外の塗料の方が粉っぽい感じがします
塗料が粉っぽいおかげでいいことがいっぱい
- 仕上がりがフラットになる(視覚的に)
- 粒子が細かいので、光があたると本来の色を表現できる
- 黒が黒い!粒子が細かいので艶消しの黒はホントに黒い
日本の真っ黒はどうしても黒グレーに見える
並べると歴然です えっグレーじゃん??って感じです
たくさん色があるので、外国の色見本帳を持っているだけで何だか楽しくなります
何といっても海外のメーカーには、日本にはない微妙なニュアンスの色が豊富なんです!
塗料が粉っぽいおかげでスキルにより仕上がりにブレが出る
海外メーカーの塗料は色の再現度が高いため、施工にはスキルが必要になります
私見ですが、国内メーカーは誰が塗ってもきれいに仕上がるように作られています。
- 水で希釈して塗りやすく出来る
- 色の調色が容易にできる
海外メーカーは塗料の色の再現度が高いため、下地から念入りに行う必要があります。
そのため、施工者のスキルが求められるのです。
- 水で希釈しないで使用すること
- 手順が決められているので、誰が施工しても仕上がりにブレがない
海外メーカーの塗料は、DIYで誰が塗っても仕上がりに差が出ないように作っています。
水で希釈しないとあるのは、使用する人によって希釈度合いが変わるため、色の再現性にムラが出てしまうのが原因ではないかと考えられます。
✔︎国内メーカーと海外メーカーの仕上がりで矛盾がある、その訳は
施工レベルの差で色の再現度は変わる。と、いう事です
海外メーカーの塗料は誰が施工してもキレイに仕上がるのに、なぜスキルが必要なのか
- 水で希釈できないため、塗るのが大変
- 粒子が細かいため、下地処理が大変
国内メーカーの塗料は職人さんが一日にたくさん塗れるように作られている
たくさん塗れる=効率が良くないとたくさんは塗れない
塗装を仕上げるためには最低でも2回は塗り重ねなければなりません
国内の塗料は水で希釈して塗りやすいように粘度を調整できます。
逆に海外の塗料は希釈をしてはいけないため、粘度が高く日本の職人さんにはローラーが重い、粘度が高すぎて扱いづらい
といった声をよく聞きます。
粒子が細かすぎて下地処理が大変
塗ったときの表面のサラサラ感、これは塗料の粒子の小ささが関係しています
海外の塗装シーンを動画で見る機会がよくあります
その動画は下地パテを壁の全面に塗っていませんか?
総パテ、といいますが
全面にパテをするため表面がフラットになるのです。
言い換えると、全面パテをしなければならないほど表面に不陸がある
表面がフラットになった塗装面はとてもキレイに仕上がるんです
不陸とは
表面が凸凹、石膏ボードの貼り方が悪い
ということです。
不陸があるので、全面パテをして均してしまおう。というわけです
仕上がりもキレイになるので間違いではありません
日本の場合、できるだけ不陸がないように下地を作るのがキホンです。
不陸がない下地に対して全面パテを施すのはナンセンス
パテも必要最低限に収めます
そうすることで無駄な材料費と人件費を削減しているのです。
パテは石膏ボードのジョイント程度がキホンです
通常のパテ処理の上に仕上げると、パテの盛り上がりが目立つのです。
ジョイント部しかパテ処理をしていないのが原因です
塗装が仕上がった際、目立つ箇所にパテをする
この手間が大変なんです
これは日本の塗料ではあまり目立たないんです。
粒子の大きさが関係あると思われます
海外メーカーの塗料を扱うスキルは、今まで国内メーカーの塗料を扱ったことがない職人さんにはとても扱いづらいものと認識されるんです
しかし、これも慣れなので下地処理はどこまでやれば合格点なのか
その見極めがとても重要となります
100点を目指すのもアリですが
とても効率が悪くなる…
✔︎海外メーカー塗料を使うコスト
- 材料(塗料)が高い
- サンプルを作るためには塗料を買う必要がある
- 下地処理から念入りに行うので施工費が高くなる(手間がかかる為)
- 手間がかかる=作業工程が多い 作業日数が増える
- 手直しがめちゃ大変(=コストがかかる)
コスト=国内塗料<海外メーカー 倍以上の金額差があります
手直し=ちょんちょんとタッチアップができないことが多く、面で塗りなし
なんてこともよくあります。
書いていて気が引き締まります…
施主と色を決める時に施工者の経験値がないと、混乱し疲弊させるだけです
色々な色を見せられても…
と言うケースが多発するため、施工者はあえて色数を限定してあげる事も必要です。
もうほんとしんどい・・・
施主のリクエストをよく把握して提案できるようにしたいですね
✔︎忘れちゃけないサンプル
実際の打合せの中では、色見本帳の中から希望の色を探してもらい、決定とします。
しかし!必ず大きいサンプルをもらってください!
国内メーカーだとA4サイズ
海外メーカーだと7cm×14cm
くらいのサンプルを提示できます
設計者、施工者の立場の場合は絶対に大きいサンプルを提示してください!
後々のトラブルを避けるために両者とも共有したほうが良いです
いらないです、おまかせします、信頼しているので
この言葉は危険です
色の場合、大きな面になると薄く・白っぽく・あざやかさが強く見えます。
こんな色だったっけ??
この「こんな色だったっけ??」発言はトラブルの始まりです。
最終的にだれも得をしないためサンプルの確認作業は必須です。
【注意点】
チップサンプルは無償提供ですが、7cm×14cmくらいで小さすぎ…
海外メーカーの色を確認するのであれば、A4サイズくらいでサンプルを製作してもらう必要があります(設計者or施工者へ依頼)
→こちらは塗料を購入する必要があるので有償となります
いっぱい選ぶとどんどんコストが膨れていくー
→海外メーカーを選ぶ場合のコツは
1.色見本帳からざっくりピックアップ
2.無償範囲のチップサンプルを入手して選別
3.塗料を購入し、A4サイズでサンプル製作 →決定!
→うーー 決めかねる〜〜
迷った場合、一度色見本帳へ戻り3.で決めた色のちかくを見てみる
そうすることで最初に決めたときの気持ちに戻って、再確認してみたり
うん!やっぱりこの色だね!!
ちかくの色に心移りしたり
少し明るくしてみようか…
慣れないことはとても体力をつかうので、打合せ終盤にはもう言いなり。ってことになりかねないです
疲弊した状態で決めたことは、次回の打合せ時にひっくり返ることが多々あります。
施主の体力を考えながら「打合せ時間」や「打合せ内容」を決めることも大事
まとめ
- 建築会社により、色数を決めていることがある
- 白系<濃い色 の方が金額が上がる可能性がある
- ツヤによって見え方がわかるため、色の選定がより大変になる
- 国内メーカーは無償提供、塗る下地状態も再現可能ですが、納期が1週間ほどかかる
- 海外メーカーも無償提供してくれますが、ほぼほぼ有償になる
時間は掛かりますが、長い時間をともにします。後悔しないように頑張って決めていきましょう!
私の経験がみなさんの参考になればうれしいです。
建築現場が良い環境になることを願って!
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