建築施工管理の納め方、ディティールを学ぶための書籍はたくさんあるのですが 店舗系の施工管理者が読むための書籍は皆無です
これは私が知っている知識をまとめるしかない。ちょっとした使命感でこの記事を作っています
これから店舗の施工管理として頑張る方や 先輩の方々にも共感していただけるのではないでしょうか
今回は、AI(Claude)に見積の拾い出しをしてもらい、そのまま業者へ見積依頼を出すまでについて書いてみました。
ご一読いただけると幸いです。
前回までの流れ
【AI導入の道④】では、ClaudeのFree版とProの差についてまとめました。
今回はいよいよ、最初にやりたいことリストの1番に挙げていた「見積の拾い出し」です。
そもそも拾い出しが必要な工種は?
内装の見積で、平米数の拾い出しが必要になるのは主に次の工種です。
- 軽鉄(壁下地・天井下地)
- 壁仕上げ(塗装・クロス・左官)
- 床
衛生設備や電気設備は、図面を業者に渡せば見積が出てきます。
造作は図面とスケッチが必要になるので、こちらは別のスキルとして準備中です。
今回の案件では、これに加えて石・ガラス、ミラー・店装システム金物(壁面の陳列レールなど)も、まとめてAIに拾ってもらいました。
AIに何を渡したのか
渡したのは図面のPDF(平面図・展開図・天伏図)です。
そこに、壁の種類ごとに色分けのマーカーを引き、凡例を書き込みました。
凡例には次のような内容を書いています。
- 壁の種類(下地・面材・仕上げ)
- 壁の高さ(展開図がない場合)
- 面材が片面か両面か
いつも自分で拾うときに、頭の中で整理していることを、図面の上に書き出したイメージです。
AIに決めておいたルール
拾い方にブレが出ないよう、あらかじめルールを決めてスキルに入れておきました。
- 0.5㎡未満の開口は、開口とみなさない(差し引かない)
- 数量は小数第3位以下を切り上げ(0.01㎡単位)
- 図面の「OPEN」表記は壁がないので計上しない
- 拾った根拠がわかるよう、平面図に壁番号などを書き込む
最後の「根拠を図面に書き込む」は特に大事だと思っています。
数字だけ出てきても、どこをどう拾ったのかがわからないと、業者も自分も確認のしようがないからです。
出てきたもの
案件は、商業施設内のアパレル店舗です。
出てきた拾い出し資料は、壁・左官・塗装・店装システム金物・軽鉄天井・床タイル・ストック床・石・ガラス、ミラーの9工種でした。
1工種1ファイルのPDFで、それぞれ
- 1枚目:図面に仕上げごとの色分け+壁番号+凡例
- 2枚目:拾い出し表と集計、前提条件
という構成です。
1枚目で「どこの壁か」、2枚目で「何㎡か、どういう前提で拾ったか」がわかります。
業者ごとに必要な工種のファイルだけ送ればいいので、そのまま見積依頼に使えました。
時間は早くなったのか?
正直なところ、自分で拾うのと比べて、時間はスキルのほうが少し早いくらいでした。
劇的に早くなったわけではありません。
ただ、とにかく気が楽でした。
- 人に読んでもらうために、丁寧な字で書き直す必要がない
- 拾いながら「あ、ここは気をつけなきゃ」「これは後で拾わなきゃ」と、ほかのことを同時に考えなくていい
- AIが拾っている間に、別の考え事ができる
拾い出しは、数量を出すこと自体よりも、「抜けがないか」「後で何を拾うか」を頭の片隅に置き続けるのが疲れる作業なのだと、改めて気づきました。
業者の反応
拾い出し資料を付けて見積依頼をしたところ、業者から「拾い出しありがとうございます」と言われました。
今までにない反応でした。
業者も見積のたびに図面から数量を拾っているので、根拠付きの数量があると助かるのだと思います。
見積依頼の段階で、こちらと業者の数量の前提がそろうのも良いところです。
精度は?そして一番の注意点
精度は高いと感じています。
ただ、白状すると、実際にはあまり細かく確認しませんでした。
「なんか大丈夫な気がした」
「業者も確認するだろう」
と思ったからです。
これは、AIの問題ではなく人間側の問題だと思っています。
そして、この「なんか大丈夫な気がした」は、きっと業者も同じことを考えているのではないでしょうか。
拾い出し資料がきれいに整っているほど、受け取った側は「ちゃんと拾ってあるんだろう」と思いやすくなります。
こちらは「業者が確認するだろう」、業者は「施工管理が確認しただろう」。
そうなると、誰も確認していない数量で見積が進んでしまうかもしれません。
AIに任せる部分が増えるほど、「最後に誰が確認するのか」を自分の中で決めておく必要があると感じました。
まとめ
- 凡例を描いた図面を渡せば、AIで拾い出しはできる
- 時間は少し早くなる程度。それよりも「気が楽になる」効果が大きい
- 根拠付きの拾い出し資料は、業者にも喜ばれた
- 「なんか大丈夫な気がする」は、自分も業者も同じ。確認する人を決めておくことが大事
AIの業務への取り入れ方は本当に奥が深く、記事だけでは伝えきれない、現場ならではの判断も多いです。「うちの会社だとどう使える?」と迷ったら、テキストでサッと相談できる窓口も用意しています(無料モニター募集中)。
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次回は、見積スキルをバージョンアップした話(凡例なしでも拾い出せるようにした件など)を書く予定です。

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