建築施工管理の納め方、ディティールを学ぶための書籍はたくさんあるのですが
店舗系の施工管理者が読むための書籍は皆無です
これは私が知っている知識をまとめるしかない。ちょっとした使命感でこの記事を作っています
これから店舗の施工管理として頑張る方や
先輩の方々にも共感していただけるのではないでしょうか
今回はフックの取付について書いてみました
ご一読いただけると幸いです。
後述しますが、店舗設計では下地材を仕上げに採用したり、仕上げ途中のもの、壊れている、汚れている、年季が入っている等、何でも採用します。
これから出てくる「つまみ」金物をフックとして説明していきます。
本来使用するべき使い方ではありませんが、店舗設計ならではということをご理解ください
✔︎石膏ボードに一点掛けフックはダメ!
ずいぶん乱暴な言い方で申し訳ありません
一点掛けとはビス一本で留めるタイプのフックのことです。
石膏ボードに対してビス一本で固定すると、ビス一点に荷重がかかるためフックのちょっとした動きで石膏ボードが傷んでしまいます。
✔︎ベース付きフックを採用する
ベース付きのフックを選べば荷重は分散されるので、石膏ボードがグズグズになる心配はありません。
設計と施工のよくある やり取り
店舗の内装工事でよくあるのが、工事が終わって全体の様子がわかってから取付位置を決めたい
これはとても良くわかります。
全体感がわからないのに取付位置なんてきめらんないよ!
一番ダメな例:無責任
工事が終わってから決めましょう!ボードアンカーでなんとかなります!
一番ダメです
施行中であれば下地をしっかりと入れましょう
アンカーを使うのは最終手段です
ボードアンカーで担保できるのかな?
責任も取れないしね!
なんとも言えない空気の例:ゴリ押し
絶対に決めて!早く決めて!じゃないと取付なんてやらないよ!
気持ちはわかりますが、もう少し相手のことも考えてあげましょう
そんな押せ押せでいっても無理ってもんです
困っている人にダメ押しするタイプですね
優しいなぁと感心する例:大体の位置を聞いて大きく下地を入れておく
大きく下地を入れておきます。
材料費や手間が増えますがみんなが納得する方法です
このあたりにつけますか?
うーん、この辺かなぁ
少し広めに下地を入れておこう
埋設物の障害にならない程度にっと
材料費、手間が増える分のコストアップはしっかりお支払いしてくださいね
言い換えると、取付位置をしっかりと決めれば余計なお金は掛からないと言うことです。
周囲の取合いもしっかりと検証してからね!
1.取付の方法を考える
ベースなしの一点掛けフック
ベースが無いフックだと石膏ボードに取付けた際、力が一点に集中するためボードがグズグズになります。
ベースなしのフックを何用として使用するか、にも依るのですが
基本的に石膏ボードにベース無しフックを取付けると、ボードがグズグズになると考えて良いです。
なぜグズグズになるのか
フックは掛けたりとったりする度に上下左右に振られます。
荷重がかかる度に石膏ボードとフックが干渉し、次第に石膏ボードが負けてグズグズになるという訳です。
2.グズグズを回避する方法
①接している面が大きければ負荷が分散されるのでベースを付ける
コレでは折角のデザインが台無しになるので別の方法もあります。
石膏ボードとの接地面積を大きくすること、取付ビスの本数を2本以上とする(負荷の支点を分散)
②インロー式にする
下地から考え直さなければなりませんが、一番安心です
店舗のフックはこの方法でグズグズを回避します。
3.購入時に付属しているビスに注目する
フックの購入時に注意していただきたいので、『付属のビス』です。
フックというよりも「つまみ」に付属しているのがハンガーボルトです
このハンガーボルトを使用出来るのは取付表面が硬い素材の時に限ります。
例、木材、モルタル、コンクリート
そもそも!
この形状のものはフック金物ではありません
「つまみ」と言い、つまんで引っ張る物なんです。
そうなんです、店舗では「つまみ」の意匠が採用されるとフックとして使用します。
だからハンガーボルトが付属しているんですね
店舗設計では下地材を仕上げに採用したり、仕上げ途中のもの、壊れている、汚れている、年季が入っている等、何でも採用します。
4.最終手段:ボードアンカー
くれぐれもボードアンカーを使うのは最終手段としてください
ベースが大きくて下地に納まらない事もありますが
最低限、壁の下地と併用してください
らくらくボードアンカー
よく使う!石膏ボード12.5mmの時はコレです!
店舗は特にこれです
住宅内装は9.5mmが多いですが仕上げ材(クロス等)の厚みを考慮するとこちらで大丈夫です
これを常備しておくことをオススメします
このタイプのボードアンカーにはリベッターがあると便利です。
インパクトで出来なくはないですが空回りしてしまう可能性が高く、折角のアンカー穴がグズグズになり本末転倒です。
できるだけリベッターでの施工をオススメします
かべロック
私の中では信用度2番手です
十二分に信用できます
トグラー
こちらも十分に信頼できるボードアンカーですが
9.5mmの石膏ボード、12.5mmの石膏ボードの時に使い分けないといけないので
あまり荷物を増やしたくないので第三候補です
まとめ
- 石膏ボードの上につけるなら、ベニヤor木の下地は必須
- ベース付きフック、2点支持のフック
- インロー式
- ハンガーボルトは石膏ボードに使えない
- イレギュラーな使い方をする時でも品質を確保する
私の経験がみなさんの参考になればうれしいです。
建築現場が良い環境になることを願って!
私のバイブルです
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