建築施工管理の納め方、ディティールを学ぶための書籍はたくさんあるのですが
店舗系の施工管理者用の書籍は皆無です
これは私が知っている知識をまとめるしかない。ちょっとした使命感でこの記事をつくりました
これから店舗の施工管理として頑張る方
先輩の方々にも共感していただけるのではないでしょうか
今回は壁の出隅につける塩ビコーナーについてです。
ご一読いただけると幸いです
内装工事でよく使われる塩ビコーナー
内装工事でよく使われる塩ビコーナーは『L型コーナー』です。
現場での呼称
- Lコーナー
- 塩ビコーナー
- コーナー
現場で呼ぶときは大体、この三つです
塩ビコーナーの購入方法
ネットでの購入方法は長尺物の制約があり、配送のトラックでの車上渡しができる様です。
【法人の場合の購入方法】
- 職人に任せる
- メーカーから直で購入
- 問屋から購入
- ホームセンターで買ってくる
- ネット購入
【個人の場合の購入方法】
- ホームセンターで購入
- ネット購入
✔︎塩ビコーナーの納まり
図面上の納まり
※赤塗り部はパテを表す
図面で書くとこのようになります。
しかし、これは図面の話で実際の現場ではこの様には納まりません
現場での納まり
赤いのがパテです、図の様にコーナーの角を支点にして、パテベラを石膏ボードに当ててパテを盛り付けます。
コーナーを貼った壁の端部は、大体93〜94mm位の幅に仕上がります。
これはコーナーを鋭角に貼るときの塩梅でマチマチです
壁厚は90mm、端部は93〜94mmとなります。
コーナー貼り失敗
上の図はコーナー貼りの失敗事例です。
何が失敗なのか
塩ビコーナーを貼付ける際に「グッと押込んだ」為、塩ビコーナーの角度が広がってしまい鈍角になってしまった
パテベラを当てる支点が凹んでしまっためです。
凹んでしまったため、パテベラの支点になる所がありませんのでパテで角を作るのです。
パテで角を作るのは職人さんでも至難の業です。
時間を掛ければできることですが、コーナー貼りを失敗したツケが塗装屋さんに回すのもどうかと思います。
私たち監督はコーナー貼りだからと言って軽く考えていてはダメなんです
次の工程にうまく渡せるように、コーナー貼りの仕上がりが悪かったら「手直しの指示」を出しましょう
まぁいいか
は、後の人に迷惑です
壁端部の石膏ボードは大概適当に納める職人が多く、石膏ボードが寸足らずになっていることがあります。
なぜ寸足らずにしてしまうのか、なぜなら塩ビコーナーで隠れるからです。
隙間が空いていても塩ビコーナーで隠れるよ!
寸足らずで隙間が空いていても問題はありません
責めてないよ!
只、コーナーを貼るときに押し込まなければいい
それだけです
✔︎コーナー貼りを失敗する、何が問題?
コーナー貼りを失敗しても塗装屋さんがうまく角を作ってくれた
塗装も仕上がり万事オッケー
その場はOKだとします。
しかし、パテで作った「角」は所詮パテで作った角なので、塩ビコーナーの強度には相応しません
角に硬いものがぶつかったら
負けます
負けて角が割れます
角をパテで作ることは出来ても、耐久性がないのです。
結局は是正対応になりますので、「急がば回れ」で先に手直しすることをお勧めします。
職人は嫌がるでしょうがダメなものはダメです
ここは信念を持って対処しましょう。
まとめ
何も言わなくてもコーナーを鋭角に貼る職人さんは居ます
しかし、皆がそうではなく、コーナーを鈍角に貼る職人さんも居るのです。
私たち現場管理はその場で手直しを指示するのが仕事です。
もしその時にOKを出したら、職人から依頼主(私たち)に引き渡しが完了したことになります。
次の工程で、例えば塗装屋さんに「コーナーの角が出ていない」とクレームが出たら
これは前の職人さんの不備ではなく、現場管理の不手際となります。
覚えておいてください
現場管理の仕事は、コーナーが鋭角に貼られているかです
私の経験がみなさんの参考になればうれしいです。
建築現場が良い環境になることを願って!
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