建築施工管理の納め方、ディティールを学ぶための書籍はたくさんあるのですが
店舗系の施工管理者が読むための書籍は皆無です
これは私が知っている知識をまとめるしかない。ちょっとした使命感でこの記事を作っています
これから店舗の施工管理として頑張る方や
先輩の方々にも共感していただけるのではないでしょうか
今回は造作を天井から吊る時の納め方を書いてみました
ご一読いただけると幸いです
スラブからの支持
天井吊りをしなければならない時、その荷重を受けるのはスラブです。
新規アンカーを打設したい時、天井下地組がまだ行われていないのであればラッキーです。
面倒な軽鉄下地の組換などを行わないで済みますので、ぜひ下地組を行う前にスラブから新規吊りボルトを施工してください。
天井組が終わってから位置を決めたい、ちょっと面倒になりますが施工は問題ありません。
点検口が必要になりますので、よく考えて決めてくださいね
メリット:取付箇所の全体像が掴みやすい
デメリット:点検口が必要になり意匠の障害となる。コストアップ
申請図書として
実際に申請図書として使用していますが、今の所、却下されたことは有りません
ビルへ施工方法を提出するのに使えると思います。
最近の商業施設は新規アンカー打設をとても嫌がります。
今回の様な吊り方を指示してくるデベロッパーもいます。
どうしてもスラブにアンカーを打ちたいときはビル側での施工となります。(B工事)

B工事とは:入居者の費用負担においてビルの指定業者に施工させることです
責任の所在がハッキリするわけです
- 躯体強度が低下するのを懸念
- 埋設管の打ち抜きを懸念
納まりの詳細

これがビルへ提出するときの納まり図です。
天井吊の構造は以下の流れとなります
既存の吊りボルト→①造作を吊るための渡しのチャンネル→②マルチアングルのための吊りボルト、マルチアングル→③天井吊造作
①造作を吊るための渡しのチャンネル
既存の吊ボルトと緊結するためのチャンネルホルダーが必要

②マルチアングルのための吊りボルト、マルチアングル
渡しのチャンネルから吊りボルトを下げるため、またチャンネルホルダーを使用

③天井吊造作
マルチアングルの固定、造作の固定はダブルナットで緊結しましょう。
取付の造作にもボルトの取付方法を検討しましょう。

なぜマルチアングルなのか?
- マルチチャンネルでも良いのですが、ボルト締をする際に折り返しが邪魔
- チャンネルだと本締の際、スパナが入らない
- ボルトを指でつまむ際、天井裏では視認しづらい

マルチチャンネルでも問題ないけど
作業性を考えるとアングルですね
廊下等天井裏に通るダクト幅が広くて野縁受けを吊れない場合に、ダクトフランジにアングル等を溶接して吊っている例があるが、ダクトの振動による悪影響があるので、野縁受けの部材断面を大きくするなどの処置をとり、必ずダクトと切り離して施工を行う。また、ダクト等によってつりボルトの間隔が900mmを超える場合は、そのつりボルト間に水平つなぎ材を架構し、中間からつりボルトを下げる2段吊りという方法があるが、水平つなぎ材から吊られたつりボルトの長さが他の部分と異なることになるので、適用する際には、設計者の承認を得て行う。

2段吊りは問題ありません
まとめ
管理を始めてしばらくは、天井吊りの構造がわからないので軽鉄材とかで補強していました。
コンパネを天井のボード裏に置いて下からビス留め、なんて事もしていました。
知らないって怖いです
よく落ちなかったと思います。大反省
というか、誰も教えてくれないし
私も聞く必要性を感じていませんでした、危険予測、安全管理の意識が全くありませんでした。
実際、落下防止に対してビルや施設管理者から、対策を執るようにしっかりと指示が出る様になったのは2011年の震災以降だと思います。
この記事をご覧になった皆さんは、ご自身の知識のストックとして、そして後輩にしっかりと指導してあげてください。
私の経験がみなさんの参考になればうれしいです。
建築現場が良い環境になることを願って!

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