【餅は餅屋】 建築家に施工までさせてはいけない

建築家が施工管理【NO!】

これからこの業界に携わる監督さんへ!
建築家とお仕事する機会があるかもしれません、私の経験を参考にしてみてください

建築家は高いクオリティを求めてきます

私たちはその期待に応えなければなりません
私たちが納めたものの良し悪しで、建築家と施主の関係が変わってしまうからです

また施工者として呼んでもらえるか?

と言う問題にもつながってきます。

是非一つ一つの仕事を丁寧にこなしましょう

起有名建築家とのお仕事

いつも懇意にさせてもらっている施主から、
自邸にキャットウォークを造り付けで製作したいと依頼がありました

条件は、施主のお友達でもある建築家のデザインで製作すること

その建築家とは初対面でのお仕事でした

YOU
YOU

ちなみに

建築界では有名な先生です

設計者がデザインをしてくれるなら、いいものが作れるはず!
私は精一杯、施主に尽くすのみです

有名建築家と仕事をするメリットは「勉強になる!」

その設計の方は名を聞けば建築業界の方ならば誰でも知っている方

有名な建築家の仕事を通して勉強させてもらえるなんて
なかなか無い経験ですので、私にとってはメリットしか見当たりませんので楽しみでした

まずは設計図をもらうために3者で打ち合わせをし
設計意図を聞き、仕上がりの条件を指示してもらいました。

POINT

設計意図とは
設計者が施主の要望を聞き(こんな感じのものが欲しい)形にする為にデザインすること

仕上がりの条件
表面の表情を決める(ツルツルに、ザラザラにして)とか
滑らないようにしたい、傷がつきにくくしたい など作る物に対して何を求めるかリクエストをもらうことです

さすが多数のプロジェクトを成功させてきた先生ですので、お話がうまい!

YOU
YOU

めっちゃわかりやすい!
感動しました

私は、先生がどのような仕事をしてきたの知っているので
求められている製品の品質にどれくらいのクオリティが必要かわかっているつもりです

YOU
YOU

仕上がりは知っているのですが、プロジェクトの進め方はやってみないとわからないんです

一方、先生は初見の私の能力は全くわからないので
話の節々に試されている感じはありました

YOU
YOU

ここが問題になりそうだから、こうしたらいかがでしょうか

こちらから提案して先生のリアクションを確認してみます

建築家
建築家

ちゃんと理解している様だな
ヨシヨシ

先生の方はと言うと、あたえた問題に対して、施工者である私から答えが出てくると安心します

建築家
建築家

おっとそうではなくて、ここはこうして欲しいです
こうした方がうまく納まります
(そうかここらへんが限界なんだな)

これは間違った答えだったとしても提案した方がいいです

建築家
建築家

質問も提案もしてこないとなると理解してないんじゃないかな〜
大丈夫かな〜…
話わかってるのかな

こうなるとマズイです
不安感が募り信用されなかったりします

先生は経験値が高いので、会話の中からこちらの限界点を見極めるのが鋭いです
隠しても見破られるのがオチです

こちらの限界点を超えたところから、私たちが成長できるかどうかの分岐点です
初見の納まりを教えてもらうこともでき
成長するチャンスです

ぜひ提案し、わからないことは質問してみましょう

余談

設計者は施工者に対してマウントを取りたい!
と言う人が結構多いと思います

マウントが取れると気持ち良くなるので

たまに、わからないフリをして質問してみたりするのもテクニックです

こうして初見の打合せの中でも、お互いに信頼関係を築くことができるか
プロジェクトを進めていく中でコミュニケーションを取れるかがとても重要です

希望納期で出来ない事もある、繁忙期は融通が利かなくなるので要注意

多忙な先生と都合がなかなか合わず、打ち合わせのタイミングが遅くなり
製作工場が繁忙期となってしまいました

繁忙期に入ってしまうと発注した順の製作になってしまいます

希望納期よりも一ヶ月くらい遅くなる
と、施主に伝えたところ

施主としては先生の都合で既に「待ち」が発生していることもあり
さらに私の都合で遅くなることに抵抗があるようでした

YOU
YOU

施工都合は毛ぎらいされます

結局、一度先生に相談して見る
と言うことになりました

施主から連絡があり
先生の方で施工することになりました

YOU
YOU

あぁダメなパターンだ…

施主のためには是非施工したかったですが
「待てない」となると、もうどうしようもありません

納品された物を拝見して

そこから2ヶ月程して施主から出来たよ!

施主
施主

「やっと完成したから見にきて!」

私が施工できなかった事もあり、申し訳ない気持ちで伺ったのですが

施工できなかった手前、声には出せませんでしたが

YOU
YOU

結局2ヶ月かかってんじゃん
とは言いません…

拝見して設計者は身内に甘いんだなぁ
と実感しました

仕上げ:よく言って普通
    木下地の木目が浮いてます…
    隙間はこのままでいいんですか…

納まり:マジっすか、ビスキャップでいいんですか…
寸足らずでいいんですか…

総評:これなら一ヶ月待って欲しかった、とは言えませんでした

「いやー出来ましたね! おめでとうございます」
これが限界です

もし私がこのような施工をしていたら

先生は許してくれただろうか…

これはその時になってみないとわからないのですが
私たちはしっかりと施工しましょう

誰がみても笑われない仕事、自信を持って見てもらえる仕事をしましょう

笑われるのは私たちであり、施主であることを決して忘れないでください

どうしてこうなった?

なぜこんな仕上がりになってしまったのか考えます

  1. 設計者と施工者の関係がズブズブで、仕事のクオリティに配慮がなくなった
  2. 設計者→任せて安心   と思っている
  3. 施工者→(設計者が)何も言ってこないから、こっちのやりやすい様にやっちゃお
        もしダメ、と言われても「だって何も言われて(指示)ないもん」と突っぱねる

この時、施工者が施主の顔を見ていたら3.の様なことにはならないでしょう

設計者は自分が呼んできた施工者を守る傾向にあります

それは施工に不備があった場合、自分が責めを負うことになるかもしれないからです





私の経験がみなさんの参考になればうれしいです。
建築現場が良い環境になることを願って!


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