建築施工管理の納め方、ディティールを学ぶための書籍はたくさんあるのですが
店舗系の施工管理者用の書籍は皆無です
これは私が知っている知識をまとめるしかない。ちょっとした使命感でこの記事をつくりました
これから店舗の施工管理として頑張る方
先輩の方々にも共感していただけるのではないでしょうか
今回は軽鉄下地の墨出し幅についてです。
ご一読いただけると幸いです
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✔︎店舗の「施工管理」を学ぶための書籍は無い
書店に並んでいる店舗設計の書籍
建築系の「施工図の書き方」などは書籍で見つかるのですが、店舗施工についての「施工図の書き方」は今の所、見つけられていません
店舗で指南書として書店に並んでいるのは、店舗設計のノウハウ書ばかりです
- 流行りのデザイナーの作品集
- レイアウトの決め方(ゾーニング)
- 店舗デザインのイメージ出しのヒント的なもの
- 素材のゴリ推し
- この予算でこんな事できました!
店舗系の書籍を見るとどれも同じような内容でうんざりします。
施工の専門書は建築系ばかり
施工で知りたい事は施工の専門書となりますが
書店で並んでいるのは建築系の施工図に関するものばかり
- 仮設工事の施工計画書のつくりかた
- 土木工事の施工計画
- 木造住宅の仕口、納まり、ディティール
- 鉄骨、設備などなど
内装についての施工については、ほぼ皆無と言って良いくらいです。
内装工事で探すとクロスや塗装工事、左官工事になってしまいます。
内装工事の施工管理としてほしい書籍
- 軽鉄工事
- 厨房区画の防水
- 防音、遮音工事
- 造作家具の納まり、納め方
この辺の指南書が欲しいです!
無いので私の経験から納まりを絞り出していきます。
✔︎軽鉄壁の納まり
店舗内装において壁の厚みは90mmが常識です
92mmの根拠
スタッドは65mm幅ですが、ランナーは67mmなんです。
ランナーは65mmではないの?
キホンですが65mmのところに65mmの物は入りません
多少なりとも逃げ(クリアランス)が必要です。よく覚えてください
納めるためには『逃げ』が必要になります。
軽鉄の場合にもクリアランスが必要です。
ランナー幅は67mmで板の厚みが0.8mmです。
内寸有効の幅は65.4mmとなり、65mmのスタッドを納めることが出来ます。
では、65mmのスタッドに石膏ボードを貼った場合
12.5mmの石膏ボードを貼ったとします。
壁厚:12.5+65+12.5=90mm
中間は90mmになるのですが
床面にはランナーがあるため、67mmに石膏ボードを貼ることになります。
床面の壁厚:12.5+67+12.5=92mm
ランナーに向かって石膏ボードは膨らんでいきます。
しなっている状態です。
撓る(しなる)=
弾力があるため、折れずに、そり曲がった状態になる。撓む(たわむ)。
墨出しの施工図を書く時に気をつけたいですね
壁厚をこれ以上膨らませないために、ランナーとスタッドの固定にはこのビスが最適です。
たまに、このビスを持っていない職人さんがいます
私は現場に入る前、職人さんにこのビスを使っているか確認します。
✔︎壁厚92mmとして墨を出すこと
私は墨出し用の施工図を書くときには、壁厚を92mmとして考えます。
設計図では壁厚90mm、施工図をそのまま90mmで作成すると
現場でハマるよ
✔︎壁厚90mmで墨を出してハマること
壁厚を90mmで墨を出してハマること
- ランナーが67mmなので、現場で計算し直す必要がある
- ランナー65mmで墨を出すと、軽鉄工事の時に職人さんに「どっちの墨だー?」って言われます
- 造作が納まらない可能性がある
施工図でも壁厚を90mmにすると、実際の現場で92mmの2mmをどうするかで悩みます。
職人さんの「どっちの墨だー?」は67mmのランナーが65mmの墨に納まるわけないよ。という意味です
私は現場で悩むのが一番無駄なこと(時間の無駄)だと考えているので、現場では悩む時間を極力減らすようにしています。
壁厚の2mm問題は事務所で悩んで解決しておきます。
現場で悩むとそれに付き合わされる人の時間が無駄になります。
「時は金なり」
まとめ
施工図の壁厚は92mmで書きましょう。
スタッド=65mm
ランナーが67mmです
設計図と施工図の壁厚の2mm問題は事務所で悩んで解決しておきます。
私の経験がみなさんの参考になればうれしいです。
建築現場が良い環境になることを願って!
私のバイブルです
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