【キホン】三方枠の色々 いろんな種類

建築施工管理の納め方、ディティールを学ぶための書籍はたくさんあるのですが

店舗系の施工管理者用の書籍は皆無です
これは私が知っている知識をまとめるしかない。ちょっとした使命感でこの記事を作っています

これから店舗の施工管理として頑張る方
先輩の方々にも共感していただけるのではないでしょうか

今回は建具の三方枠について書いてみました
ご一読いただけると幸いです

そもそも三方枠がわからない!

まずは三方枠の構成から

縦2本と上に1本ついている3本構成となっています
3方で作った枠なので三方枠「さんぽうわく」です。

YOU
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上の枠は「鴨居」と言います

下にも1本ついて4方枠「しほうわく」と言います。

YOU
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下の枠は「敷居」

ドアがついていない物、ドアがついている物も関係なく三方枠です。

三方枠の寸法を決めるのに必要な要素

何をどうしたら良いのかがわからない!

まずは、三方枠に何を求めているのかを理解する必要があります

何から決めないといけないの?誰が決めるの?

わからないことが沢山ありすぎなのはよくわかります。かつての私もそうでした

私も初めは全くわからずに、先輩の図面をそのままトレースしていました

何も考えずに製作した結果、全然納まらなかった人が私です

三方枠は苦手という方も多いのではないでしょうか

三方枠に求められる役割、開口部を傷や汚れから守るため

三方枠を作るためには、その周りの仕上げとの関係性を整理し
納品や取付のタイミングを考える
全部ひっくるめて、「納める」と言います。

全部がうまくいくと「納まった」ことになります。

✔︎三方枠を作るときに重要視すること

1.チリ

チリって何? 仕上げの壁とのチリ?

チリを決めるために必要な情報

そもそも軽鉄のランナーは巾が67mmがあるので、壁厚は90mmにはなりません

壁厚が90mmと考えていると納まらなくなるので注意が必要です

また、壁の仕上げ材の厚みもチリを決めるための大事な要素です。

YOU
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※チリが10mm以上になると影が大きくなるので格好良くない!

2.巾木の厚み

巾木がなんなのさ!

巾木の厚み?

せめて三方枠の縦枠と巾木がゾロで納めるのがいいところでしょう

× 縦枠より巾木が勝つと「あれっ何か変だぞ?」となります=納まっていない

ちょっと専門用語

ゾロ=揃える「そろえる」のソロえる→ゾロ

3.枠の見附の幅

枠の見附の幅を決めるポイント

  • デザイン
  • 鍵をつける時は?
  • 細ければ細いほど、納まりに影響する

✔︎フレームレス=壁ゾロ?

壁とフラットになっていると開口だけになるのでカッコよく見えます。

”現場より”
”現場より”

壁と同ヅラ

と言ったりします

YOU
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意匠設計の方はフレームレスと言ってるのを聞きます

フラットにすることで弊害が結構ありますので気をつけてください

壁とフラットにすることのリスク
  • コストがUPする
  • 消耗と劣化が早い
  • 施工者の技量により品質が担保できない

施工者もハイレベルであることはもちろん、設計者、注文者もリスクを理解することが必要となります。

YOU
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特に設計者は施工者のレベルを理解把握して設計を行うことが品質管理とも言えます。

知らずに指示していると見積もりを見た時にビックリすると思います

✔︎費用対効果

しっかり作ろうと思うと高くなる

安けりゃなんでもいい

価格と比例すること
  • 安いと枠と壁に隙間が空く

✔︎シャクる方法

枠に溝を作り、石膏ボードを差し込めば多少枠が動いたとしても隙間があくようなことはない

しかし、この納まりができるのは在来工法の場合です。

軽量鉄骨(LGS)ではランナー67mmがあるため、石膏ボードがどうしても膨らんでしまいます。

せっかく溝を彫っても、石膏ボードが曲がっていては溝にハマりません

★三方枠を四角だけしか描かない人

意匠設計の人に多い印象です。

フラットに仕上げたいから四角しか書くことがなYO!

四角い線でも全然問題ありません

壁とフラットにすることのリスク
  • コストがUPする
  • 消耗と劣化が早い
  • 施工者の技量により品質が担保できない

リスクをしっかりと許容できるのであれば四角の線だけで終わらせるのもよいでしょう

YOU
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設計者の責任をよく理解してほしいです

三方枠はとても複雑です、施工図をしっかりと読めるようにしましょう

★技量がある設計者の特徴

複雑な三方枠をよく理解している人は、四角や線で表現して施工者の施工図を待ちます

出てきた施工図を理解し、問題点を指摘してくる

私が思う「能ある鷹は爪を隠すタイプ」のいいところは、意匠としてこう納めたいということをハッキリと示します。

納まりは施工者の技量により決定するし、無理強いはしない

出来ないことを無理にやらせても、良い結果を生まないことをわかっているからです

もちろん施工者も技術を高める努力が必要ですし、設計者はそれを見極めることが求められます。

★禁句タブー

施工者は仕事の大小に拘わらず、常に小さなチャレンジをしています。

施工者は常に途上であると認識してください

「他の施工者は出来た」と思っても、口に出さない方が良いことが多いです。

『他の設計者は〜』と言われているのと同意なのです

★ホントは何もわからない

上っ面だけの底が浅いタイプ

立派な詳細図を描くが、実際はよく理解しておらず

納まりの詳細な問いに答えられない

質問の意味がわからない

YOU
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トレースが悪いとは思いません

しっかりと理解し、身になればよいのです

突っ込まれたら「詰む」タイプです

施工者もしっかりと見定めていますよ

お互い切磋琢磨しましょう

まとめ

三方枠を納めるためには、多くの経験と知識が必要になります。

施工者についても同様で、あまりにも複雑なため新人教育の際にうまく伝えられず

「難しいから任せられない」

「自分で考えてみて」など、新人教育ではできるだけ避けたいフレーズです。

しかし、三方枠を理解していなければ現場で納める事もできません

技術の向上にもつながりません

今回の記事は三方枠のキホンの考え方でした

納め方は複雑なものや簡単なものがもっともっとあり、納め方も人それこそ千差万別です。

キホンがわかっていれば応用ができますので、ぜひ参考にしてみてください

私の経験がみなさんの参考になればうれしいです。
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