【キホン】 バランスを整えるには、物体を3Dでイメージすること

空間を3Dで捉える

センター(中心)に合わせる、片側に寄せ集める、2分割よりも3分割
など図面のセオリーがあります

図面ばかり書いていると、セオリー通りに書いていれば間違いないと盲信してしまい
実物ができあがると「なんじゃこりゃ」「なぜ、そうなった」
ということが稀に起こります

✔︎作図でセオリーのセンター合わせはイメージ通りにならない事もある

空間認識-センター合わせ
サッシに対してセンター合わせ

この物件はサッシの上に軒があり、軒を看板として利用しました。

図面上(2D)はセンターに合っているので、いい感じの図面です。

✔︎立体(3D)でイメージしてみよう

空間認識-実際
サッシの上に軒がある

Aは、サッシのセンター(中心)に合わせた
Bは、軒である看板の幅に対して、センターに設置した

立体にするとサッシの存在よりも、看板に対しての位置のほうが気になるのが分かるでしょうか
サッシに対してセンターを取るよりも、看板の幅に対してセンター(中心)をとったほうがバランスが良いと思いませんか?

この場合、3Dにするとセンターを取るべきなのは看板です

✔︎2D図面ではイメージしづらい

経験があれば、どこをセンター(中心)に設定するか決めるのは容易かもしれません
でも、経験がなければどうしたらよいか

空間認識-立面図
展開図、立面図

Aは、サッシセンターとサインセンターを合わせてみた
Bは、サッシセンターからズレるが、看板のセンターに合わせた

YOU
YOU

図面上、Aのほうがいい感じ

✔︎ベテランでもアイソメを書いてイメージを確認している

ポイントになるのは軒がサッシから500mm前面にせり出していること

空間認識-側面図
側面図

2Dで判断できないのであれば、立体で考える

YOU
YOU

3Dです

空間認識-アイソメ
アイソメ図

500mmせり出している軒が前面に出ています。
サッシのセンター(中心)に合わせるよりも、軒に注目すべきなのがわかるでしょうか

立体で考えると、サッシと看板は同じ平面にはないのです
看板が前、その奥にサッシがある

私達人間の目にはサッシよりも、看板のほうが先に見えます。
図面ではサッシセンターに合わせていましたが、立体で考えると看板のセンターに合わせたほうがバランスが良く見えます。

立体で考えることはイメージを確認することでもあります。

✔︎ちょいズレの気持ち悪さ

空間認識-ちょいずれの気持ち悪さ

Bは、看板のセンター(中心)に合わせています
Aは、ちょいズレ

何となく違和感がある
え?間違えた? そんな声が聞こえてきます。

YOU
YOU

あれ?100mm間違えた?

ズラすなら、いっそのこと余白を楽しんだほうがマシです

空間認識-余白

中途半端なことはせず、ちょっとズレるならガツンとズラしてみてはいかがでしょう

図面を書いていると、どうしてもセンター(中心)に合わせる、片側に寄せ集める、2分割よりも3分割
いつものセオリーに引っ張られて作図してしまいがちです。

実際の現地を見ていれば、イメージすることも出来るかもしれません
やむなく図面だけで判断するしか無いとき

そんなときはアイソメを書くなり、頭のなかで立体イメージを作ってみましょう

空間認識-実際
サッシの上に軒がある

Aのちょいズレに違和感を感じませんか?

油断大敵です

図面(2D)を書いていても立体(3D)を意識することを忘れずに!

私の経験がみなさんの参考になればうれしいです。
建築現場が良い環境になることを願って!

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